2018.03.22
夢そして情
星野仙一さんを一文字で表すなら「夢」であろう。
昨年暮れの殿堂入り祝賀会は欠席してしまったので、せめてお別れはしてこよう
と思った。
かつて見たことがないような大きな祭壇に、中日・阪神・楽天とそれぞれ優勝に導い
た監督時代の写真が飾られ、プロ野球関係者はじめ多くの人が参列した。
山本浩二、大学時代の同級生から弔辞が送られ最後の楽天の三木谷オーナーから
挨拶とそして星野仙一さんにお別れの言葉があった。
三木谷さんといえば、日本を代表する起業家で貪欲に成長を求めるトップランナー
という絶対的なイメージがある。
なので、お別れの挨拶も楽天の公用語である英語を駆使するか(実際するわけがないが)
というくらいで構えていた。
が、三木谷さんのその挨拶は冒頭の
「君みたいな若い人がプロ野球界に参入して新しい風をつくれ」
から涙、なみだで、そのあとも何度も言葉に詰まってしまう実に訥々としたもの
になった。
そうさせたのは他でもない星野仙一さんである。
星野さんの情が三木谷さんを包み込んでいたのであろう。
人を、人の心を動かすのは、なんだかんだいっても最後は「情」なんだろうなあ。
星野仙一さんを表す言葉は「夢」そして「情」だった。