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2014.05.9

13年

自宅の十畳二間の大広間に社員が集まっている。

 

病床についていた先代みすず工業の社長が、パジャマ姿で最後の「演説」をした。

その話しが終わると、いよいよ私の社長就任挨拶だ。

 

大広間に溢れかえる社員の前に、身が引きちぎれんばかりに引き締まる思いで

立ち上がり話し始めようとすると、

大内サンが大きな声でおしゃべりをしていて、なかなか終わらない。

その間、私は何をしゃべろうか、、、ずっと考えている。

先代の社長、親父も、もうそんな事は出来る体力は無いはずなのに、気力を振り絞って

立ち上がり、よろめいている。

見栄っ張りな親父らしい。

すぐさま椅子が用意される。

 

私は、何を話そうか、、ずっと考えている。

そして、最後に社長に「長い間ありがとうございました」とだけは言おうと決めた。

でも、それを考えただけで涙が出そうになるが、最後まで堂々と話そうと自分に

言い聞かせていた。

 

父は椅子に座り、私の話しを待っている。。。

 

 

目が覚めるとまだ午前5時前だった。

久しぶりに親父の夢をみた、と思ったら今日は5月9日、親父が死んで13年め

というまさにその日だった。

 

親父の夢。

だんだんと見なくなってきている。

始めのころは、そんなに頻繁ではなかったが、登場して私に語りかけてきた事も

あった。

人生における成功とはなにか

など、いまも覚えている問いかけもあったが、そのうちに登場はするものの、

静かに、ただそこにいるだけ、という場面ばかりになっていた。

 

だがどうだろう。

今回は久しぶりに、病身ながら気力を振り絞る姿で現れた。

私は、そこで皆に何を話そうとしていたのだろう。

先代の社長の死が現実のものとなり、

社長に就任しなければならなかった、あの張りつめた緊張感、

いや、緊張感という言葉では表せない程の、身の引き締まる感覚を思い出した。

 

忘れていたあの感覚を。