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2010.02.16

新作名刺

社長これ、何かのカードかと思いましたよ。

 

 

2010021211460001.jpg

女子社員に新しく出来上がった名刺を見せたところ、キョトンとしてこう言った。

 

それもそのはず、御覧のように何も書いていない名刺だからだ。

でもこれこそ、私の理想に近い名刺である。

 

なんでこんなに空白が多いかというと、余白が好きだから。

 

イメージしたのは、久隅守景の夕顔棚納涼図屏風

 

江戸時代の、なんてことはない古い薄汚れたような屏風絵に見えるが、長谷川等伯の松林図屏風とともに、私の心をとらえて離れない。

 

二つの作品ともに、30分で書けてしまうような、まるで手抜きかあるいは下書きのような感じだが、描いてある物はそれほど重要ではない。そこには「見えないもの」が描かれているのだから。

 

  夕顔棚図であれば、蒸し暑い夏の空気や、家族の何気ない会話

  松林図であれば、肌を湿らすひんやりとした空気、湿った土のかおり、静謐な音のない世界

 

見えないものを見る、描かずして描く

神の領域の作品だと思う。

 

さてそれが名刺と何が関係あるのかというと、困ってしまうのだが、デザイナーと何回もやり取りをしながらミリ単位で字の大きさや配置を決めて、

文字色も褐返し(かちがえし)という平安時代からある日本古来の色にした。(とても深い藍色になる)

 

こだわりの名刺である。

 

あえて言うならば、なるべく飾り気のない自分で在りたいとの思いがある。

そして究極の名刺は  林 宏道 と名前だけが書かれた名刺。

 

私は 林 宏道 です。 そのほかには何もありません、と言えるようになってみたいのものである。