2013.10.1
ZEROへの道程 ー蹉跌ー
日本ベンチャービジネス協会副代表幹事
金融問題研究委員会リーダー
長野県商工振興連盟常任理事
長野商工中金出資者協議会世話人
長野県自由経済研究会常任理事
長水商工団体振興連盟常任理事
飛ぶ鳥を落とす勢いの、林 襄の肩書きである。
そして六つの会社の社長、270名の社員を擁する、みすず工業グループの総帥、
林 襄 はまさに 時代の寵児 であった。
そして更なる拡大、
昭和49年、平屋と田んぼが広がる、のどかな長野市南部に、偉容を誇る4階建ての本社ビルを建築
昭和58年、その一階を全面リニューアルして立ち上げたのが、
LOB NOR 事業部 であった。 (時に林 襄 50歳)
NHK特集で一世を風靡したあの 「シルクロード」に出てくる、幻の湖 ロプノールだ。
事業内容は
照明器具の販売、照明設計、工事受託
ギフト商品の販売など (またしても全く毛色の違う事業だ)
なぜ、照明だったのか、生前聴いた事はなかったので、分からないが、どこかで
まだだれも手を付けていない、長野に理想の店を創ってやる
と閃いたのだろう。
聞いた話しによると、西尾雄三副社長以下、相当な勢いで反対したらしいが、
一切聞き入れず突っ走ったということだ。
この頃になると私も高校生になっていたので、LOBNORには幾度か顔を出した事があった。
時価800万円(たしか)の壮麗なシャンデリアが正面に鎮座して、来る人を圧倒する。
店内に所狭しと吊るされた、ありとあらゆる照明器具が光り輝き
趣向を凝らした輸入家具やギフトも豊富だ。
そこに居るだけで世界中のギフトが手に入る様な、なんともゴージャスな店であった。
だが、この店
長野という田舎では早すぎた。(と、今になって思う)
商品のラインナップが豪華すぎるうえに、仕入れと照明器具の電気代に莫大な経費がかかり、
最初から採算があう商売ではなかった。
それでも強引に2年間
みすず工業グループの余力をすべてつぎ込んで LOBNORは突き進む。
そして私が大学1年の春、
野球部の練習がオフになり、帰省して何日か過ごして東京に帰ろうとした最後の夜、
親父から話しがあった。