2024.02.26
墓碑銘 ー頑 強ー
力強い、我慢強い男であった
平成28年の入社以来、現場に配属されると、屈強な体力に加えて責任感の強さもあり
すぐに頭角を現してきた。
主任に抜擢して、現場の責任者となって、孤軍奮闘していたそんな矢先、癌の宣告を
受けて現場を離れざるを得なくなった。
慣れない事務仕事、抗がん剤治療をしながらの勤務は、どれだけ辛かったことか。
しかし、彼の体は抗がん剤治療に耐えた、耐えた。
普通は1年も続けられないであろう抗がん剤治療が、実に4年に渡り続いていたのだが、
我慢に我慢を重ねすぎたのか、ついには心臓が根を上げたようだ。
先週まで体調が悪いながらも会社に来ていたのに
生きたかっただろうなあ
もうすぐ社会人として独り立ちする娘、部活で活躍する息子のこれからや、
父親の畑仕事の手伝い、そしてやりかけの仕事。
我々の使命は、彼の生きたかった1日、1日を丁寧に生きること、たとえ一瞬でも
いい、今日はこれをしたぞと胸を張れる行いをしたい。
お通夜で本人を目の前にして、そんなことを誓った。
宮澤明憲 享年48歳
体の強い、我慢強い、責任感の強い男であった
さようなら
合掌