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2009.01.15

職人魂

みすず工業が大変お世話になった職人に別れを告げた。

 

わが社の廃液回収車両は大型の10t車や中型の6t車などあわせて18台ある。

扱う廃液が有害性や危険性の高い物質であるので、回収車両も特殊車両になり、大型の10t車にもなると1台買うと2千数百万円もする車である。

 

市販されている車ではないので、一台一台みすず工業の仕様にしてもらうため、設計の段階からの車両作成となる。

 なおかつ廃液を積載する車両は世の中に数が少なく、如何に安全に廃液を輸送するか、メーカーと試行錯誤の上、改良に改良を重ねて現在の車両を完成してきた歴史がある。

そしてそれはすべて一品もの、手作業の 「技」 が生きている世界である。

 

 

その技を駆使して、永年みすず工業の担当をしてきてもらった人が引退のあいさつに訪れた。

 

自分ができると信じた工作は、たとえ相手がだれであろうとも 「できない」 を言わせない。

「なぜできないんや」 と とことん問い詰めていく人で、自分の上司にもたてつくほど頑固であり、自分の持っている腕に妥協しない人だった。

 

その人が言っていたが、自分の会社に限らず、我々の世代の技術を引き継いでくれるか不安であるとのことで、早期退職や昨今の不景気による人員削減で、職人技をもった人たちが単なる一人分の  「人件費」 としてカウントされてしまうのを憂えていた。

 

仕事の話になると熱っぽくなり、親身になって話しをしてくれるその人との別れを惜しみながら時間となってしまった。

 

最後に言葉が適切ではないかも知れなかったが

「余生を十分楽しんでください!」 とお別れの言葉をいった。

「大いに遊びますわ!」 と頼もしい答えが返ってきた。

齢64  「あと20年は遊べますね」 と言ったら

「あと10年ですやろね」と返事が返ってきた。

 

(あと10年でも、余生をすごせなかった私の父や、その他多くの人の分まで思いきり過ごしてください)

最後の言葉は心の中でつぶやいてその人の背中を送った。