2025.11.28
国宝(読んだ)
国宝(観た)
は今年の流行語大賞にノミネートされているだけあって、興行収入
新記録を打ち立てるほどの話題作で、年間100本観ていた映画青年の
林くんとしては、観るべき映画だ。
が、まずは原作小説を読んでから、と思った。
映画の尺(2−3時間)で表現できることは限られており、
物語の展開や深みまでは表現できないからである。

上下巻で800ページという大作だった。
小説の語り口は、歌舞伎を観に行ったひとにはわかる、
「イヤホンガイド」調。
物語のあらすじや背景などを、絶妙なタイミングで解説して
くれる歌舞伎鑑賞には欠かせないガイドだ。
で、読書感想文
主人公、喜久雄と俊介の六十年におよぶ波乱万丈の物語で、
出来事、いや事件が次々と展開して読むものを飽きさせない。
その長い長い道のりを辿っていくと、最後にひたすら芸道を
突き進んできた喜久雄が、誰にもわからない世界に到達する。
誰にもわからない世界だけに、見えないものを観るような、
読み手の想像力を試されているのような小説であった。
で、映画も観た。
まあ、小説を読んでしまうとダイジェスト版の印象は否めないが
いい出来ではなかったか。
監督の力だろう。
映画を観て、また小説が読みたくなった。
映画は1回でいいかな。

