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2009.06.25

切羽へ

携帯メールをよく使う割には絵文字を使うのは好きではない。

なので、絵文字を使わないから気持ちが伝わらない、と言われたこともある。
最近では極力伝えたい意思が伝わるように、文章を端折らないで書いてみるものの、どうも効果は薄いようだ。
文字だけで人間の繊細な心情を伝えきるのは難しい。

「切羽へ」

切羽とはこれ以上先へは進めない場所の意。
小さな島で画家の夫と幸せに暮らす小学校の教員セイが、或る日島に赴任してきた先生に惹かれていく、、、、そして切羽へ。。。。
帯の宣伝に心踊らされ、そして第139回直木賞作品とくればもう読まずにはいられない。

小説は映画やTVと違い、物語の背景、時代であったり場所であったり、あるいは登場人物の心象風景や人物それぞれの背景を丹念に書き込んでいく作業が必要とされる。
そして読み手それぞれの頭の中により鮮明な映像を沸きたたせなければいけない。
映像も、ましてや絵文字も使わず日本語のみでその世界を構築できる小説家の才能というものは計り知れない。
「切羽へ」 は淡々とした物語である。

二人はどのようにして落ちるのか、その心象風景を追っていた私は、残り頁に不安を大きく募らせながら今か今かと待っていたが、、、、。

全く淡々とした物語であった。
平たく言うとつまらなかった。心が騒がないといったほうがいいかもしれない。
直木賞ともなるとやはり世界が違うのかもしれない。

小説を読む、とは主人公に共感したり、喜怒哀楽を絡ませながらいつの間にか引き込まれていき、自らも経験しているかのように心揺さぶられる 「体験」 ができる世界なのだと思う。

人間は誰しも燃えるような心を持っていると思う。

ひとそれぞれにその熱さが違うし決して人には見せない人もいる、でもそんな秘めた情熱を持っている主人公に私は惹かれる。
したがって セイ には惹かれなかった。
現実の世界よりはるかに美しい、ある島の物語であった。

文章で心を人に伝えるのは難しい 。。。