2010.02.23
ジェルソミーナ
高橋大輔銅メダル!
ということで繰り返しその映像が流された訳だが、トランペットの悲しげな調べを聞いているとどこかで聞いたような、、、と聞くたびに感じていた。
そうだ、 道 La Strada のジェルソミーナのテーマだ。
大学時代に見たイタリア映画、フェデリコ・フェリーニ監督の名作だ。
精神薄弱のジェルソミーナはある日、大道芸人のザンパノ(アンソニークイン)に連れだって旅をすることになった。
胸に巻いた鎖を力づくで切るなど、力だけが自慢の粗野なザンパノは、ジェルソミーナに対してもまた乱暴な扱いをする。
それでもジェルソミーナはその曇りのない心で献身的にザンパノに尽くしていくが、或る日旅先で出会った綱渡り芸人のアルレッキーノにふとこう漏らす。
私は何の役にも立たない
そこでアルレッキーノはこう言う
この世の中になるものは何かの役に立つ
たとえば、、、この道端の小石だって何かの役にたってるんだ
それを聞いたジェルソミーナは、道端の小石を拾いじっと見つめて、「私がいないと彼はひとりぼっち」 と再びザンパノと道中をともにする。。
ザンパノゥ
と言葉少なに語りかけるジェルソミーナの声とともに、ニーノ・ロータのトランペットの切ない調べが今でも心の中に残っている。
だから高橋大輔の銅メダルはうれしいことなのだが、気持ちはとても切なくなっている。