2008.11.14
星をさがす
元来マンガを愛読するわけではないが、手塚治虫の 「ブラックジャック」 だけは全巻そろえている。
その中に 「六等星」 という話がある。
真中病院という大病院の院長が亡くなり、後継者選びに対立する二人の候補、あの手この手で院長選挙の票集めをするうちに二人とも汚職で捕まってしまう。
さて、後継者をどうしようか、、、と悩んだ時に、もう一人目立たないが長年この病院に勤める椎竹(シイタケ)先生がいることに気がつく。
しかし、あの人では影が薄いしちょっとねえ、、、という評判だった。
ある日、急患を迎えると、さて困ったこの重病人を診る医者がいない、、、と病院が混乱に陥り、ブラックジャックにお呼びがかかったが 「椎竹先生がいるではないか」 とブラックジャックが執刀を拒否したので、やむなく椎竹先生に執刀してもらったところ、驚くべき的確さで難手術を成功させてしまって、 「本当の名医は誰なのか」 を病院の人間が気づくという物語であった。
星というのは光り輝く1等星もあれば、ほとんど見えないような六等星もある。
しかしそれは地球からの見た目の光であって、本当に大きな光を放っているのは六等星かもしれないということ。
本当に光り輝く人を探し出す。
大変に神経を使った。
面接の後はいつもぐったりとしてしまう。
二次面接を経て最後の最後まで考えぬき、最終的に13人の応募者の中から一人に内定通知を出した。
内定通知を郵送すれば良かったかもしれない。わざわざバスを乗り継いで来てもらうのも手間である。
しかし、あえて手間をかけてでも本人に会社にきてもらったのは、
私から直接 「一緒に仕事をしたい」 思いを伝えたかったからだ。
本人からすればドキドキ ものだったのだろう。二次面接よりがちがちに硬かったが 「ぜひみすず工業で一緒に仕事をしたい」 ことを伝えたときにやっと晴れやかな顔つきになった。
(本人いわく、 呼びつけられて書類返して不採用さようなら のような予測を立てていたらしい。要件を告げず再度来てもらうのも、ちょっと「いぢわる」だったかなと反省している。)
光かがやく星を見つけた。
[蛇足] うちの人事担当の黒岩課長のガラスの腰もブラックジャックのような名医が治してくれないだろうか。