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2008.11.11

主のいない部屋

寡黙な人である。

寡黙といっても程度があるが本当に寡黙な人であった。
余計なことはしゃべらないといったほうが当たっているかもしれない。

自らの業務とは畑違いと思われる武道を愛し、土に親しむ人であった。

毎月初め、当番で行う朝礼の号令時には 「正面に向かって 礼!!!!」 ときりりと引き締まる気合いの入った号令をかけてくれた人であった。

長年にわたりみすず工業の頭脳として礎を築いてくれた人で、皆なにかあると頼りにしていた人であった。

クールそうなふりをしていたが、彼が 「困った時はお互いさまだから」 といって他の人の仕事を真剣に手伝っていたことを覚えている。

お父様を亡くされた時はお悔やみの言葉に指名していただき、残された気丈なお母様の力になる言葉が言えなかったが、そのお母様も他界されご両親を見送ることとなった。
社員が入院した時には奥さまにその状況を聞くことができたし、気にもかけていただいていた。

彼がいた四角い無機質な建物の1階の部屋から幾つものみすず工業が誇れる技術やノウハウが生まれた。

しかし、その部屋から主が去る時が来た。

最後に挨拶に行ったが、今日もいつもの彼がそこにいていつもの通りに多くを語らなかった。
私も多くを語らなかった。

でも私からはこの一言だけでよかったと思う。

ありがとうございました。と