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2008.11.18

右岸

寝る前のわずかの時間、ベッドに潜り込んで活字を読んでいる。

たいていはビジネス書だとか、出版社いわく、人の生き方を探求する人間学の月刊誌「致知」 を読むことにしているが、かなりの遅読でありもともと夜が弱く、とても効果のある睡眠薬となってしまうので読みたい本は厳選している。

これも社長としての自分の器を広げるためであるが、時には仕事から離れて別世界に行ってしまいたい時がある。

というわけで今年3冊目の小説を読んだ。

小説は映画やテレビドラマと違い、物語の背景、時代であったり場所であったり、あるいは登場人物の心象風景や人物それぞれの背景を丹念に書き込んでいく作業が必要とされる。そして読み手それぞれの頭の中により鮮明な映像が沸きたたせなければいけない。映像も、絵文字も使わず日本語のみでその世界を構築できる小説家の才能というものは計り知れない。

今年読んだ小説は
切羽へ   井上荒野の第139回直木賞作品
 なんとなく本屋で題名にひかれて買った一冊。
 「切羽」とはこれ以上進むことができない場所の意。淡々とした物語でやや物足りなさが残ってしまった。

弥勒   篠田節子
 知り合いの僧侶に進められて読んだ。人間の性(さが)を書いた一言でいって 「重い」 物語だった。

そして昨夜読み終えたのが
右岸  辻仁成
 これも本屋で江國香織の「左岸」と並んでいたので目についた。
 登場人物が同じ名前で同じ場所から小説がスタートしてそれぞれの物語が進むという企画も面白いと思った。

小説を読む、とは主人公に共感したり、喜怒哀楽を絡ませながらいつの間にか引き込まれていき、自らも経験しているかのように心揺さぶられる「体験」ができる世界なのだと思う。

わたしはこうしてたまに仕事の世界から抜け出している。