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2009.01.22

My fellow citizens

外国語が理解できたらいいのにな、と思ったことがある。

 

アメリカで グランドキャニオンからLAに帰るグレイハウンド(高速バス)での休憩中に、荷物だけを乗せたバスが走り去ってしまい、バスステーションの人に事情を説明したが言葉が通じなかったときとき、

 

南米のチリで、漁船みたいな小さな船でアンクーという小さな島に行く船中、チリ人とスペイン語辞書を指さして   「仕事は嫌いだ」 「だけど女は好きだ」(チリ人の発言) などと会話したとき、

 

無邪気な子どもの手招きで、インドのアジャンター石窟寺院の近くにある村に入り、村の人々と車座になって夕食をごちそうになったとき、

 

その土地の言葉が理解できたらどんなに心が通じあえただろう、と思い出した。

 

 

そんなことを思い出したのも、第44代アメリカ合衆国 大統領に就任したオバマ氏の就任演説を聞いたからだ。

人々を魅了する演説の名手との名高いオバマ大統領の歴史的な演説に世界が注目したわけだが、私もその和訳は読んだものの、感覚として心に響いてこないのがとても残念なのである。

 

そもそも、今回に限らず和訳の文章には無理がある。

内容は理解できるものの、言い回しやニュアンスが日本語にしてしまうとピンと来ないのである。

 

たとえば演説の最後に、社会思想家トーマスペインの引用で

 

「酷寒の中、希望と美徳しか生き残ることができない時、共通の脅威に気づいた町も田舎もそれに立ち向かうために進み出た、と未来の世界で語られるようにしよう」

 

「未来の世界に語られるようにしよう。厳寒の中で希望と美徳だけが生き残った時、共通の脅威にさらされた国や地方が前に進み、それに立ち向かうと」

 

どちらの和訳もニュアンスが違うし、どこか珍妙である。

また、国民性の違いもあるのだろう。

アメリカはやはりそれぞれの出自をもった民族があつまり、性急に新しい国をつくった、という気がしてならない。

理想を追い求めているようだが、実はあるべき姿ではないような、そんな人間の矛盾ともいえる国家の道を辿っているような気がする。

(日本の国は縄文の昔に始まり、その生活速度を合わせるようにゆっくりと文化や人が育まれて連綿と今に至る自然な成り立ちを感じるのだが。)

 

「おそらく感動するのだろうな」と想像しつつ、あの独立記念塔までぎっしりと人が集まった会場を映像で見ながらひとりジーンと来ていた。

やはり英語で、しかも自分の母国語として理解してみたかったと思った。

 

我々の国でも、希望に胸躍り胸が熱くなるような歴史に残る名演説を聞いてみたいものだ。