2009.03.5
定額給付金
定額給付金が支給されることになった。
さっそくカミサンに 「何に使うの」 と聞いてみたら
「納税」
と即座に答えが返ってきた。
固定資産税の支払いに充てるのだという。
なるほどなあ、と感心してしまったが、国からもらった金をまた国に返す、、、中間での作業は全く無駄になってしまうのだから本末転倒というものだ。
(とてもカミサンにはそんなことは言えないが)
国民に一様にお金を支給する。
一見平等で、国を挙げての景気対策に見えるかもしれないが、この平均的なお金の使い方ほど効果を示さないものはないのではないか。
最近 司馬遼太郎の 「坂の上の雲」 を読みはじめて、ようやく日露戦争の遼陽会戦の始まりのところまで読み進めた。
明治維新で開国された、未開で野蛮と思われていた小国日本が、開国後30数年で大国ロシアと戦った、その明治の軍人たちを描いた物語だ。
大国ロシアと闘うために戦費が莫大なものになり、国民の生活が疲弊の極みに達してしまったが、それでもまだ軍事力には大人と子供ほどの差がある。
そこで限られた戦力を集中して使い、会戦の場面場面においては数的に劣らない戦法をとったのだという。
後の太平洋戦争の軍人よりもはるかに、理知的で定量的な作戦をとったらしい。
明治の軍人は死力を尽くしてただ一点、「ロシアに勝つにはどうしたらいいか」を考え続けていたという。
何も戦争をやれ、貧困に耐えろ、と言いたいわけではないし、明治の時代よりもはるかに複雑な経済社会状況であるのでそう簡単にはいかないだろうが、
それでも政治家は死力を尽くして、
「この国を、この国の経済を立て直すにはどうすればいいか、限られた資金をどこに投入すればよいか」
を考えてもらいたい次第である。