2009.07.1
くらやみ
ブラックジャック第19巻 「闇時計」 の話を思い出した。
南アフリカのある村で、例によって高額な手術費をとってその神がかったメスをふるったブラックジャックは、ある黒人の子供から手術代として、巨大なダイヤの原石を貰った。
街でその原石を鑑定に出してきたブラックジャックにある白人の男が近づき、ピストルで脅すとその原石が発見された村に案内させられた。
黒人の少年とブラックジャックは、白人にピストルを突き付けられながらダイヤの発見された古い坑道に入っていくと、落盤が起こりまっ暗闇の中に閉じ込められてしまった。
白人の男はジタバタして真っ暗な坑内を歩き回り転落死をすると、ブラックジャックは、少年が心配するのも気にせず、すやすや寝てしまう。
翌朝ガバッと起きたブラックジャックは少年とともに大声で助けを求めて助かるのだった。
少年から毎朝7時にここを猟師が通るのを聞いていたブラックジャックは、自分の体内時計を信じ7時に起きたのだった。
この話のなかで白人はあからさまに肌の色を理由に、傍若無人な振る舞いをするのだが、そこは真っ暗な坑道
なにを この黄色い日本ザル!
白人が悪態をつくと、ブラックジャックはこう言った
この暗闇の中で、黒も白も黄色もヘチマもあるものか
あるのは声だけだ 声だけならお前さんのダミ声は最低だ!
マイケルジャクソンは黒人の歌手として初めて人種を超えて指示された歴史的人物である。
人類史上最も黒人の地位を向上させた一人と言っても過言ではない。
しかし、最後の最後まで自分が黒人であることを誇りとせず白人になりたがっていたのはなぜだろう。。。
また黒人の間でも少しでも色が薄い肌を持つ人間の方が優越感を持つというが、それほどまでに彼らにとって肌の色は重要なのであろうか。
肌のいろなど人間の持つ価値観のほんの一部でしかないはずである。
ブラックジャックの話しを読むとそんなことをつくづく感じるのだが、人間は愚かだ。
眼などという器官をもっているが故に根強い人種差別を起こしてしまうのだから。
マイケルジャクソンですら黒人であることを否定したかったのだから。
おそらくあれだけトップに昇りつめて、地位も名誉も金も才能も満ち溢れた天才であったのに、最後に乗り越えられなかったのが人種という壁であったのだろう。
特別にファンだったわけでもないが、その曲を聞くと自分の青春時代の記憶とともに、自分の中に鮮明にマイケルジャクソンが記憶されているのがよくわかる。
マイケルジャクソンの訃報を聞き、ブラックジャックの言葉を思いだした。