2011.11.2
最後のせりふは
おはようございます と毎朝社員通用口から顔を出して律儀に挨拶をする金澤君だが、
月曜日のあさは、私の机までつかつかと歩いてきた。
ので、いつものごとく 「何かあったな」 とすぐに解った。
あばあさんが亡くなったのだという。
彼は今年入社した新人だが、学生の頃面接など何度か彼の人となりに触れることがあって感じたのは友達思い、家族思いのやつだなあ、ということ。
就職活動中の悩みを聞いたときには、自分の悩みよりも友人がなかなか内定をもらえなくて落ち込んでいるのをたいそう気にしていることもあったほどだ。
(あの友人は就職できたのだろうか。。。)
おばあさんは92歳の高齢で体調を崩されていたこともあり、最後ということで会ってきたようだ。
本人は意識もしっかりとしていて、逆にかわいい孫の心配をするほどだったというが、
その後、灯が消えるようにお亡くなりになったそうだ。
最後に孫に会い、会いたい人のすべてに会うことができて、この世の用事を全て済ませてしまったのかもしれない。
おばあさんもその覚悟というか気持ちの整理ができていたのだろう。
会う人ごとに、きちんと 「さようなら」 と別れの挨拶をしていたとのことだ。
これがなかなかできない。 できなかった。
さようなら を言うことは自分で死を受け入れること、
ましてや、こちらからその言葉を発するということは死を認めたということになる。
親父の時にはお互いそれが言えなかったな。
少し後悔している。
やはり人間 最後の時には、、、最後くらい照れずに、、
ありがとう と さようなら
の セリフで幕を閉じたいものだ。