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2011.12.26

坂の上の雲  了

連合艦隊解散の辞

 

二十閲月の征戦己に往時と過ぎ、我が連合艦隊は今や其の隊務を結了して茲に解散する事となれり。然れども我等海軍軍人の責務は決して之が為に軽減せるものにあらず。此の戦役の収果を永遠に全くし、尚益々国運の隆昌を扶持せんには、時の平戦を問はず、外衝に立つべき海軍が常に其の武力を海洋に保全し、一朝緩急に応ずるの覚悟あるを要す。

 

而して武力なるものは艦船兵器等のみにあらずして、之を活用する無形の実力にあり。百発百中の一砲能く百発一中の敵砲百門に対抗し得るを覚らば、我等軍人は主として武力を形而上に求めざるべからず。近く我が海軍の勝利を得たる所以も、至尊の霊徳に頼る所多しと雖も、抑亦平素の錬磨其の因を成し、果を戦役に結びたるものして、若し既往を以て将来を推すときは、征戦息むと雖も安んじて休憩す可らざるものあるを覚ゆ。

 

惟ふに武人の一生は連綿不断の戦争にして、時の平戦に由り其の責務に軽重あるの理無し。事有れば武力を発揮し、事無ければ之を修養し、終始一貫其の本分を尽くさんのみ。過去の一年有半、彼の風濤と戦ひ、寒厚に抗し、屡頑敵と対して生死の間に出入りせしこと固より容易の業ならざりしも、観ずれば是れ亦長期の一大演習にして、之に参加し幾多啓発するを得たる武人の幸福比するに物無し、豈之を征戦の労苦とするに足らんや。苟も武人にして治平に偸安せんか、兵備の外観巍然たるも宛も沙上の楼閣の如く暴風一過忽ち崩倒するに至らん、洵に戒むべきなり。

 

中略 

 

我等戦後の軍人は深く此等の實例に鑒み、既有の錬磨に加ふるに戦役の実験を以てし、更に将来の進歩を図りて時勢の発展に後れざるを期せざる可らず。若し夫れ常に、聖諭を奉體して孜々奮励し、実力の満を持して放つべき時節を待たば、庶幾くば以て永遠に護国の大任を全うすることを得ん。

 

神明は唯平素の鍛錬に力め、戦はずして既に勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時に、一勝に満足して治平に安ずる者より直に之を褫ふ。

古人曰く 勝て兜の緒を締めよと。

 

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日本海海戦が終わり、連合艦隊はその任務を終えた。

 

そして、連合艦隊司令長官 東郷平八郎が読み上げたのが 「解散の辞」 である。

 

明治日本人全ての命運を彼ら軍人や日露戦争に係る人々が握っていたように、

私も多くの人の命運を握っていると自覚している。(その差は計り知れないが)

 

我々の戦いは続くのだろう、休む時もなく。

だが、この先のみすず工業の行く末に身を委ねてくれている人が居る以上、常に前に進まなければならない。

 

連合艦隊解散の辞

はそんな自分の気持ちを戒めてくれる名文である。

 

それにしても美しい、気迫の乗った文章だ。

日本語とは何と奥深い言葉なのか、

そして此の文章を起草した人物の、何と知性と教養と才気にあふれることか、、、

自分の文章が稚拙すぎて書くことがいやになってしまった。