2017.01.13
感想文 海賊とよばれた男
海賊とよばれた男
明治期に石油に惹かれ裸一貫で企業した國岡商店の國岡鐡造の明治大正昭和を通して
描かれる波乱万丈の物語である。
(出光興産の出光佐三をモデルとしたほぼノンフィクションといっても良い内容では
ないか)
感想、とひとことで言ってしまえば、すごい男がいたものだと感心しきりなことと
日本人としての誇りを奮い立たせられずにはいられない物語であった。
日本人の勤勉さ、我慢強さ、ともに頑張るチームワーク、決して屈服することのない
矜持、、、、
日本人が持っている美点が余すことなく発揮され國岡商店が数々の苦難を乗り越えて
いく。
改めて日本国の今の繁栄を築き上げた人々であり、本当に頭の下がる思いである。
しかし、その先達のやり方を踏襲する時代ではないことも確か。
明治維新後の日本は「和魂洋才」日本人の魂をもって西洋の技術を取り入れ成長
してきたし、その「魂」は現在に至っても日本人の美点であると思う。
ところがその「人の何倍も努力して勝ち取る」という美点が今の社会システム上で
破綻し始めている。
國岡商店はタイムカードも出勤簿も定年もない。そんなもんは社員を信用しない
から作られた制度だ。と、國岡徹造のようには今の時代言えない。
長時間労働をせず、労働環境を守り、ハラスメントやメンタル環境に十分配慮して、
休日も取り、ワークライフバランスを重んじ、仕事をする。
頑張ることが美徳ではない、むしろ許されない社会になってきているのだろうか。
(無理の生じない頑張りということか)
そうだとしたら、どうやって力のない会社が発展を目指していけばよいのであろうか
いやいや、そもそも発展という価値観を捨てなければならないのだろうか。
経営者の課題は多い。