2009.04.1
行く人
面接で初めて見た瞬間は正直「パス」と思ってしまった。
新入社員入社までの半年間のつなぎとして派遣社員を募集していたときに、派遣会社がまっ先に紹介してくれたのが彼女だった。
そのあと、3、4人と会って見たが、結局始めの彼女に来てもらうことにした。
派遣社員の選考は一つの基準がある。
それは 「即戦力」 ということ。
期間を決めたなかで仕事をこなしてもらわなければならない事情があるので、噛めば噛むほど味が出てくるするめ、よりはなめた瞬間スカッとするフリスクでなければならない。
その彼女は話してみると、しゃべり方にクセはあるが物おじしない明るい性格であった。
何より子どもの頃からやってきたソフトボールを社会人の今もチームに所属して続けているという。
それで分かった、その明るさが。
入社後の彼女も期待通りの働きをしてくれて、時に会社の飲み会にも参加して、梅酒をジュースのようにぐいぐい飲みながら社員とうちとけていたところを見ると、やはりみすず工業の水にあっていたのだろうと思う。
それでも期間は期間。
3月末を持って終了となった。(イチゴ大福ごちそうさまでした。)
幸い次の派遣先も決まっているという。
彼女の幸福な未来を願いたい。
心残りはただ一つ。
彼女のソフトボールチームと、わがみすず工業野球部とのソフトボール真剣勝負ができなかったことだ。