2010.11.9
タイ王国 情熱編
タイ王国3日め。バンコク近郊の日系企業を視察した。
タイ王国の国土は日本の1.4倍(人口は6300万人)
しかもバスで移動してみるとわかるが、山と言うか起伏というものがほとんどなく、ただ平らな未利用の空き地が広大に広がっている。
そして政府もその広大な土地の利用方法として、場所のゾーン分けをしていて、僻地になればたとえば8年間は法人税免税などの優遇をして工場の分散化を図っている。
●シンセイ(Thailand)
長野県に本社を置くメッキ業者。
同郷、同業ということもあり、川口社長自ら大変熱心に説明をいただいた。
シンセイが海外進出したのは今から12年前、マレーシアでのこと。
当時からハードディスクの生産は海外に移行することが明白だったとのことで、社長と銀行の反対を押し切って、川口社長(当時専務)と倉田副社長の二人で、ゼロからのスタートだった。
タイにおいても、本社の仕事を持ちだして移行したのではなく、ゼロから営業をして仕事をして現在では800人40億円の売り上げの会社に成長させて現在に至っている。
タイは近年4、5%の経済成長を続けていて、昨年こそマイナス2.2%と落ち込んだものの、今年は8%程度の成長を見込んでいるらしい。
こういう環境だと放っておいても仕事は増えるので、増えていく仕事に対してどうやって人や設備をそろえて対応できるかが課題となってくるということだった。
また、川口社長は自社を 「製造業とサービス業の中間」 と位置付け
「お客様のいるところで仕事をする」 と、世界中どこへでも行く腹はくくっているとのこと。
川口社長は海外進出の成功を元に、日本国内に固執することの 「非効率さ」 を骨身にしみて感じているのではないかと思った。
海外へ出る苦労や出てからの困難は当然あるのだろうが、その先には日本のようなゼロ成長で未来永劫限られた仕事を取りあわなくてはならないような環境とは全く違うものが待っているのであろう事を、イメージとしてとらえることができた。
●大同工業(Thailand)
樹脂メッキを行う日系企業。
こちらも海外駐在通算13年目という内藤さんに案内をしていただいた。
樹脂メッキは比較的ローカル企業の参入が少なかったが、最近は華僑系企業としのぎを削るようになってきたらしい。
以前は日本しかできなかった技術に彼らは追いつき、そしてコスト面において日本を圧倒してくるのだという。(いろいろな意味でのコスト削減をしているのだが、、、)
そこに技術と品質とコストでどう挑んでいくか、、、ここでもまた駐在員は奮闘しているのである。
海外進出に懸ける情熱、地元企業としのぎを削る情熱を感じた企業視察2日目であった。
海外進出というといきなり構えがちだが、そこに市場がある限り商売をしかけるのは至極当然の考えなのだ、我々の商売は海外でどうかなあ、、
と、今日の事が刺激となっていろいろと一人で整理してみたくなって、
またThe Oriental Bangkok のBanboo Barへ一人行ってしまうのであった。