2016.08.2
ZEROへの道程 二月一日
二月一日 バテバテ
とりあえず寺でも見ようと歩き出したが、あついのかほんの15分ほどでついたのに
バテてしまった。さらに歩けば歩くほどバテてバテバテになって、しょうがないから
部屋に戻ってきてひっくりかえった。
どうしたのだろう。やっぱり物を食べないから、そして水ばっか飲んでいるからバテる
のだろうか。
夕食のスパゲティとチャーハンは嬉しくなるほどうまく感じた。でもなるべくインド
のめしを食わなくては意味がない。いくらなんでも水は飲みすぎだ。これで体調くずし
たら泣くに泣けない。明日は移動だし水分はとってはいけない。
そう、今日六日目にしてやっとうんこをした。あまり食べていなかったのであまり出な
かったが。切れが悪かったので左手の感触が気持ち悪かった。しっかり洗い流しても手が
くさいのには閉口した。でもたしかに水で流す方が確実にきれいになる。
寺 3ルピー 夕めしチャーハン10 スパゲティ14
リムカ 4ルピー ココナッツ2ルピー 水10ルピー バナナ5.5ルピー
今日は 48.50ルピー
計 675.45 131.49/day
二月二日 ダウン
昨夜、やけに体がだるくて体の節々がいたくて起きてしまった。今朝になってもこの
だるさがとれない。念のため「地球の歩きかた」をみたら症状が肝炎ににているので
急に怖くなってしまった。
容体がずっとこのままなので大事をとって1日休むことにした。
インドを甘く見ていた。人間にやられた次は病気にやられてしまった。
もし良くなったらちゃんと食事をして、衛生的にしよう。旅先の病気というのはやけに
心細くなるものだなあ。
病人は暇である。ひまでしょうがなくて町田氏にもらったミステリー小説をよんだが、
この読むのが遅い私でもあと30頁ばかりとなってしまったので読むのをやめた。
TVもないしラジオもないし話し相手もいない。
一人旅というのは何から何まで自分一人でやらなくてはいかんのだとしみじみ思ったり
している。何事も自分から、これができるようになればしめたものだ。今のオレはそれ
ができないのだから。しかし容体はあまりかわらないなあ。
夕暮れにさんぽした。最初は久しぶりに起きたせいか、頭がくらくらきたが、あとのほ
うはだいぶ楽で、めしやに入ったときなど蚊の攻撃で自分が具合悪いのを忘れるほどだ
った。ちょっとはよくなったかもしれない。
夜は長い。今まだ八時半だ。なんか西や北インドの方がおもしろい気がしてきた。ゆっく
りするのもいいがある程度リズムをもって南インドをまわりたい。
今日は 94.50ルピー 計 751.95ルピー(6日) 125.33ドル/day
やど 50Rs 夕めし 23Rs(チャーハン、S/W、ジュース2本)
ひるめし ポテト11Rs ジュース 3.50×3=10.50Rs
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1990年 23歳 当時の日記 原文まま
いつの時代も子どもは無邪気である
お手伝いの手を止めて被写体になる(固まっている)
いつの時代も大人はよこしまである。
シャッターを切るその横でニヤニヤしていたオヤジの顔を思いだす。